今ここに根ざす ＜235／365＞

はじめに、どまんなかに燦々と「在る」自らの本質を知ること。それから、その「在る」がままに生き、成し、表現することを求める、切なる「願い」に耳を澄ませることだ。
すべてを包み、ひとつに溶かしてしまうほどの「透明」へと向かうプロセス。日々、ひたすらに制限を超えていく。ひとつ、またひとつと。
わたしのステージはいつも、今ここにある。

ここではないどこか
今ではないいつか
未熟ではない自分
どれもが、幻想なのだと知る。
今いる場所、ここから１ミリも逃げず、自らの足で立ち、根をはるんだ。

今日の空はコバルトブルー。澄んだ空と、柔らかい雲と、繊細な光が溶け合って、わたしまでとろけていきそうだ。そんな目映さも、美しさも、わたしたちの本質のそれにはかなわない。垣間見るだけで、号泣してしまうような瞬間。「内なる神」との出会いであって、生まれる前から設定された、極上のご褒美だと思う。

しかーし！
その体験は、ある意味で両刃の剣だ。うっかり酔いしれたら、自分がすっかりと覚者だか、聖者だかになったとように錯覚してしまう。
まだ、予告編をわずか数秒、寝起きの薄目で見た程度のことだ。目を開き、立ち上がり、動き、現実に反映させていけ。そう、本番はこれからなのだ。

わたしは、まさにこの時点で、舞い上がり、宙に浮いて、大切な現を抜かしてしまったことが、今まで何度も何度もあった。それはもう、なかなかの地獄だったのだよ…。

かけがえのない今を、大切に生きるよろこびを忘れてしまうくらいなら、覚者にも聖者にもならなくていい。ひたすらに未熟であることを全うしたいと思う。すべての人たちの、かけがえのなさと、健気さと、ひたむきさと、勇気と希望、生きるよろこびと痛ましさと、共にありたい。今ここで、もっともっと響き合って、共に生きていたい。