LoveRocks

愛がロックする日々。感じたこと、思ったことを綴る。

大切なもの、いとしいもの、すべては「今」ここにある <129/365>

太陽が恋しい日。
あーーん、仕事に行きたくないよぉー。

「ずっとがんばてるんだから1日くらいいいだろ...(怠け)」「ていうか有休使っちゃえよ!労働者の権利だろ!(理屈)」「あんまり無理するのは体によくないよ(まやかし)」みたいな、えんえんとつづく思考のお祭り騒ぎをまるごとなぎ倒して出勤する。本日もゴキゲンである。

銀杏が色づいてきたね。名前も知らない大好きな街路樹も秋色に染まってきた。毎日見ている景色なのに、ある日とつぜんその変化に気づく。雨風なんかの逆境をこえたあとはぐーーんと季節が進む。美しきわたしの世界の、可愛らしい日々の移ろいをあまつところなく感じたいなーーと思う。おいしい水をゴクゴクと飲むときみたいに。五感と全身と心と魂と、わたしの全部で味わいたい。毎瞬が真新しい。その潔さを知るとき過去はもういいやって思う。想い出もいらないや。だってだって、大切でいとおしいすべては、今この瞬間の中に溶けて、確かにここに「在る」じゃないか。

わたしたちは一見、あまりにも多くのものを失いながら、人生を生きているような気がしてしまう。
もう会えなくなってしまった人たちや、大切にしていたもの、過ぎ去りし時代、楽しかった日々、街並みも変わり、規律も変わって、その中でみんなが等しく「若さ」を失いながら生きている。「あの頃のわたし」というものを気づかないうちに失いつづけている。

時々無性に取り戻したくなることがあった。大事なぬいぐるみをなくしてしまった子供みたいに、とても切なくて、心細い気持ちで過去の幻影を追いかけたいような衝動がある。わたしの中の強烈な未練だ。
あんなに大好きだったのに、その想いを伝えることもなく...永遠にきみは右隣にいてくれると信じていたんだ。失くして初めて気づいたよ、きれいな指してたんだね、知らなかったよ...こんなに素敵なレディが俺、待っててくれたのに...である。

やりつくし、感じつくし、味わいつくしたかった。けどどうやればいいかわからなかった。
大切にしまくって、愛を伝えまくって、誠意と真心を尽くしたいと本気で願っていたけれど、わたしは命に終わりにあることも、時代がめくるめく変わるものだということも知らないまま、不満ばかりを抱えて「もっとこうなればいいのに!」などと思い、この上なく「今」を雑に扱ってきた自覚がある。

時間の流れがライン状であるならば、流れとともに変化して、変化とともに過去を失っていくように感じるだろう。それは川の流れのようだ。

しかし、すべての流れは大いなる海に向う。
そこで合流して溶け合う。

死んだらそうなるとか、そういう意味じゃなくって、現実に起こっていることはそうのではないかとわたしは思うのだ。今この瞬間も「あの頃のわたし」を失いつづけている。「仕事に行きたくない...」とぼやいていた屍のようなわたしも、雨上がりの帰り道を傘さして歩いたわたしも、今はもうどこにもいない。取り戻せない。
だけど実はなにも失ってはいないのだろう。わたしが「今」に在る限り、ここで全開で生きる限り、「今ここ」が大いなる海である。

そう、今、目の前にある現実を受け入れて、取組む、生き切ること専念したらいい。

今宵のメニューはマッシュルームとトマトとチーズのカレー、そうきたらやっぱり雑穀米でしょう!
にんにくと生姜と長葱は惜しみなく...ああーおなかすいてきた!