LoveRocks

愛がロックする日々。感じたこと、思ったことを綴る。

「カッコイイ」を裏付けるもの <114/365>

季節はすっかり秋だね。
深まる秋の夜...わたしにとっては愛するR&Bのシーズン到来である。
R&Bとはリズム&ブルーズのことだけど、そのキングといえばレイ・チャールズだ。わたしの中ではそう。レイのピアノの音に、声に、刻みだすリズムそのものに魂がふるえ、ハートがとろける。

いつもみたいにYoutubeでレイの動画をみていたとき、なんだか今までみていなかったものがたくさんみえてきた。わたしが打ちふるえてきたものの正体がわかった気がした。
目が見えない彼がピアノを始めたとき、きっと最初からこの世のものとは思えない音色...あの夕陽がキラキラ輝きながら海に溶けるとき、真っ赤に燃えてから、黄金の道を創りだす...壮大で、この世界のありのままの美しさをぜんぶ、ギューーッと濃縮したみたいな音の粒が弾け跳んじゃうみたいなあの演奏を、なんだか知らないけどできちゃう才能が彼にはあったのだろうと、わたしは思っていた。そう、レイは盲目のアーティストであるけれど、ほんとうの盲目はわたしの方だ。

あの音を出せるまで彼がどれほどの想いで、毎日ピアノに向ったことか。奇跡でも何でもない...ていうかその努力の度合いこそが奇跡なのかも知れない。一体どれだけの基礎を、身体がすっかりと憶えてしまうまで繰り返したんだろう。どれほどの苦しみと、挫折と、絶望の中から自力で這い上がったすえの奏であったことか....!

それでもそんなことはみせない、感じさせないのがリズム&ブルーズである。
理屈抜きで、ただとんでもなくカッコイイ。それで完結する。
かっこよさほど、それをみる人たちの心のどまんなかから、勇気や希望や、元気やパワーを湧き上がらせるものはないと思う。

そうなんだよ!かっこよくあっていいんだよ!!
どこまでもかっこよくあろうとしていいんだ、自分で自分に惚れちゃうくらいに。

つかれたよーー、仕事やる気しなーーい、、、今日のお客マジでむかつくーー、、やってらんないわーーー、、、
そんな会話があふれている職場で思った...いや、わかってる...ほんとうはわかってるんだよ。今日はほんとうに忙しかったよね。みんなでのりきったね。何人の人から何回もの「ありがとう」をみんな、頂戴したよね...自分のもてるものを、今日も世界のために生かしたよね...痛いほどわかりながらも、わたしは言おう。

みんな「美学」はどうした!?
自分の存在と、仕事と、今日一日成したことをともに誇ろうぞ!!!

いとしき同僚たちよ、ともに生きる人たちよ...
わたしからみると、あなたはこんなにも輝いていて、その存在は掛けがえがなくって、わたしの100倍くらい頭がよくて、わたしにはぜったいにできない量の仕事をなんなくこなす。誇らしき存在だ。どんなすごさも、煌きも、そうダメなんだよね、人からどんなに認められても意味がないんだ、ザルに水を注いでいるようなもの。自分で認められないと何の価値もないんだよね。

今日はそんなことを思った。
ロックとかブルーズとか、R&Bにしてもロカビリーにしても、とにかく「カッコよくてなんぼ」のものに死ぬほど憧れたあの時代に育ったこと、それ自体をわたしはギフトだと感じている。

そして、真のカッコよさとは必ず「地道な努力」に裏付けされている。
そんな舞台裏を垣間見る、今日この頃のわたしであった。